KNOWLEDGE MUSEUM / WESTERN / 西洋占星術

Western / 西洋占星術の基本

西洋占星術は、生まれた日時と場所から、その瞬間の空を一枚の図に表し、天体の配置と関係へ象徴的な意味を与える伝統です。この図を出生図(natal chart)と呼びます。

Jyotish(インド占星術)と同じ出生情報を使いますが、星座の位置を決める基準や、人生の時期を読む技法が異なります。西洋占星術では、天体、星座の区画、生活領域、天体同士の角度を一枚の円形図へ重ねます。

円形出生図の基本骨格東の地平線(ASC)と子午線側(MC)を基準に、星座帯とハウスを分けます
構造説明用の円形出生図。外周の星座は天秤座、乙女座、獅子座、蟹座、双子座、牡牛座、牡羊座、魚座、水瓶座、山羊座、射手座、蠍座。内側に第1から第12ハウス、東の地平線を示すASC、子午線側の基準を示すMC、例示天体を配置しています。123456789101112ASCMC記号=星座数字=ハウス
  1. 01東の地平線 / ASCと子午線側 / MCを基準にする
  2. 02外周に12星座の帯を置く
  3. 03内側を12の生活領域 / ハウスへ分ける
  4. 04天体位置を重ねる

星座帯、ハウス境界、天体位置は構造説明用の例示配置です。ハウス境界は採用方式と出生条件によって変わり、特定人物の出生図ではありません。

01 / FROM BIRTH DATA TO A CHART

生年月日、出生時刻、出生地から、出生時の空を再現します。

現地時刻を計算に使える時刻へ直し、その瞬間の天体位置を求めます。次に、出生地から見た東の地平線と南北の基準線で図の向きを定めます。この日時と場所に固有の空の地図を、出生図(natal chart)と呼びます。

入力から作る一枚の空の地図
出生図 / natal chart / ネイタルチャート

天体位置と、出生地から見た空の向きを一枚に配置します。

太陽が一年かけて通るように見える帯
黄道 / ecliptic / エクリプティック

天体の位置を表す基準となり、西洋占星術では十二の星座区画へ分けます。

東の地平線で図の向きを決める点
Ascendant / アセンダント/上昇点

出生地点で黄道が東の地平線と交わる度数です。出生時刻と場所に敏感です。

南北の基準線側で図の縦軸を決める点
MC / ミッドヘブン/中天

黄道と出生地の子午線の関係から得られる主要角度です。

02 / THE MINIMUM ELEMENTS

出生図は、四つの役割を重ねて読みます。

『何が働くか』を天体、『どんな性質で働くか』を星座の区画、『人生のどの領域に現れるか』を生活領域、『互いにどう結びつくか』を角度関係として重ねます。西洋占星術では、それぞれをplanet、sign、house、aspectと呼びます。

構造説明用の円形出生図。外周の星座は天秤座、乙女座、獅子座、蟹座、双子座、牡牛座、牡羊座、魚座、水瓶座、山羊座、射手座、蠍座。内側に第1から第12ハウス、東の地平線を示すASC、子午線側の基準を示すMC、例示天体を配置しています。123456789101112ASCMC記号=星座数字=ハウス
  1. 01太陽が通る帯 / 黄道360°
  2. 02星座の区画 / サイン12
  3. 03生活領域 / ハウス12
  4. 04働く主体 / 天体位置
  5. 05天体同士の関係 / アスペクト角度
太陽が通る帯の上へ、星座の区画、生活領域、天体、天体同士の角度を重ねます。
何が働くか
天体 / planet

太陽、月、惑星などです。流派によって小惑星や計算上の点を加えます。

どんな性質で働くか
12サイン / signs

黄道を30度ずつに分けた十二の星座区画です。

人生のどの領域に現れるか
12ハウス / houses

出生地から見た空を、経験領域として十二に分けます。

天体同士がどう結びつくか
アスペクト / aspects

二つの天体の間にできる角度関係です。合、衝、矩、三分、六分などがあります。

図の上下左右を定める基準
四つの角 / angles

ASC、DSC、MC、ICの四点で、出生時刻と場所から決まります。

03 / WHY RESULTS DIFFER

同じ出生情報でも、空の区切り方と判定幅で結果が変わります。

星座の起点を季節に置くか恒星側へ補正するか、生活領域をどう区切るか、角度関係を何度の幅まで認めるかで、表示される配置が変わります。これらを黄道方式、ハウスシステム、オーブと呼びます。

黄道トロピカル:春分点を0°牡羊座とするサイデリアル:恒星側の基準へ補正するサイン位置が変わる
ハウスWhole Sign:サイン単位で区切るPlacidus等:時間・空間に基づき不均等に区切るハウス境界と在室天体が変わる
ノードTrue NodeMean Node月の交点位置がわずかに変わる
オーブ狭い許容幅広い許容幅採用されるアスペクト数が変わる
天体範囲伝統的な七天体外惑星・小惑星・感受点を追加解釈に使う要素が増える
04 / HOW A READING IS BUILT

配置を読むときは、役割・状態・場所・関係を組み合わせます。

まず天体、星座区画、生活領域、角度関係を組み合わせます。さらに、星座区画と天体を結ぶ支配関係、天体が置かれた条件の評価、その支配をたどる連鎖を加えます。これらをルーラーシップ、ディグニティ、ディスポジターと呼びます。

01何が働くか
02どんな性質か
03どの生活領域か
04ほかの天体との関係
05支配と状態をたどる
星座区画と天体を結びつける支配関係
ルーラーシップ / rulership

各サインを受け持つ天体を使い、生活領域と配置のつながりをたどります。

星座区画の中で天体の状態を評価する尺度
エッセンシャル・ディグニティ

ドミサイル、エグザルテーション、デトリメント、フォールなどの伝統的区分です。

出生図の中で天体の働きやすさを評価する尺度
アクシデンタル・ディグニティ

角への近さ、生活領域、速度などを扱う伝統があります。

その星座区画を受け持つ天体をたどる方法
ディスポジター / dispositor

配置を一つずつ孤立させず、図全体の連鎖として読みます。

05 / READING TIME

出生時の図へ、現在・象徴的な進行・一年の周期を重ねます。

現在の天体を出生図へ重ねる方法、出生図を象徴的な速度で進める方法、太陽が出生時の位置へ戻るたびに新しい図を作る方法、年齢ごとに注目領域を割り当てる方法があります。専門名は順にTransit、Secondary progression、Solar return、Profectionです。

出生時の図 / NATAL出生図を基点に固定
現在の空 / TRANSIT現在の天体が移動
象徴的進行 / PROGRESSION象徴的な速度で進行
周期の回帰 / RETURN周期ごとに新しい図
現在の空を出生図へ重ねる方法
Transit / トランジット

ある時点の実際の天体位置を出生図と比較します。

出生図を象徴的な速度で進める方法
Secondary progression / セカンダリー・プログレッション

出生後一日を人生の一年に対応させる代表的な進行法です。

太陽が出生時の位置へ戻るたびに新しい図を作る方法
Solar return / ソーラーリターン

およそ一年ごとの節目を扱います。

年齢ごとに注目する領域や天体を割り当てる方法
Profection / Time lord / プロフェクション/タイムロード

年齢や期間に応じて強調される生活領域と天体を定めます。

CHART READING / 製品画面との接続

同じ四つの層が、GenesisCoreの円形チャートに現れます。

外周の星座帯と内側のハウスを別の層として置き、出生地で定まる軸と計算した天体位置を一つのホイールへ重ねています。

  1. 01外周:12星座の帯 / サイン
  2. 02内側:番号で示す12の生活領域 / ハウス
  3. 03ASC・MC:出生条件から定まる基準軸
  4. 04天体記号:計算した位置
06 / WORKED EXAMPLE

実際の計算画面を、四段階で読みます。

公開人物の出生情報から生成した現行Premium画面を使い、出生図の軸、主要天体、ハウスとアスペクト、分析文の順に見ていきます。図に表示された計算項目が、後段の文章を読む手掛かりになります。

公開人物の出生情報から生成したGenesisCore Premiumの西洋占星術結果画面
現行Premium UI。太陽172°、月51°、水星155°、金星197°など、画面に表示された計算値を使用。
  1. 01

    角度と全体形

    ASCとMC、天体のハウス分布を確認

    時刻に依存する軸と、天体が集中する領域を先に把握します。

  2. 02

    主要天体

    太陽・水星は乙女座、月は牡牛座、金星は天秤座

    天体の役割とサインでの状態を組み合わせます。

  3. 03

    領域と関係

    画面は8ハウス集中と主要アスペクトを提示

    ハウスの主題と天体同士の角度を重ね、単独配置の羅列を避けます。

  4. 04

    統合と時間

    L1の配置別根拠、L2の統合、期間表示

    計算事実、一次分析、総合文、時間情報を別の層として読みます。

07A / HISTORICAL FORMATION

複数の文化圏を通じて、現在の技法が形づくられました。

西洋占星術は一つの地域で完成した後にそのまま伝わったものではありません。メソポタミアの天文兆候と黄道区分、ヘレニズム期の個人出生図、イスラーム圏の翻訳・計算、ラテン語圏での継承を通じて、用途と理論を変えながら展開しました。

  1. 01

    メソポタミアの天文兆候

    惑星、食、天候などの観測記録が王国や社会の兆候と結びつけられ、後の黄道と惑星解釈の土台になりました。

  2. 02

    黄道と個人出生図

    バビロニアの黄道計算と、ギリシア語圏・エジプトの幾何学的・哲学的要素が交わり、Ascendantと12の場所を備えた個人の出生図が発達しました。

  3. 03

    アラビア語・ペルシア語圏

    ギリシア語資料が翻訳され、天文表、観測器具、計算法とともに比較・注釈・発展が進みました。

  4. 04

    ラテン語圏と印刷文化

    翻訳を通じて欧州へ再流入し、宮廷、医学、暦、大学的知識、印刷物の中で用途と評価が変化しました。

  5. 05

    近現代の多様化

    伝統占星術の復興、心理占星術、現代的な相談実践、コンピュータ計算など、異なる目的と流派が並存しています。

07B / PRACTICE, SCHOOLS, LIMITS

現代の実践は多様ですが、科学的に確立した予測手法ではありません。

西洋占星術は歴史的・文化的な知識体系として継承され、現在は相談、自己省察、象徴解釈などにも使われています。一方、出生図から性格や出来事を信頼できる精度で予測できるという主張は、現代科学で確立されていません。

  • 01出生時刻が不確かな場合、ASC、MC、ハウス、時刻依存の技法も不確かになります。
  • 02異なる流派の結果を比較するときは、黄道、ハウス、オーブなどの計算条件を確認します。
  • 03解釈は医療、法律、投資、診断その他の専門判断を代替しません。
  • 04研究では、文化的意味、計算の再現性、心理的有用性、予測精度を別の問いとして扱う必要があります。
08 / GENESISCORE IMPLEMENTATION

GenesisCoreでは、出生図と分析を同じ画面で確認できます。

現行画面には、出生図、天体配置、アスペクト、分析文、期間表示があります。Premiumでは配置別の一次分析(L1)と統合解釈(L2)を分けて表示します。

現行版

出生図と計算項目

円形出生図、天体配置、アスペクト等を画面に表示します。

現行版

Premium L1 / 一次分析

配置別の根拠と主題を、計算値に結びつけて表示します。

現行版

Premium L2 / 統合解釈

複数の配置をまたいだ統合文を、L1とは別に表示します。

現行版

期間表示

有料結果では、実装済みの時間情報を期間別に表示します。

対象外

伝統全体

ホラリー、選択占星術、相性法など、広い伝統の全技法を網羅する製品ではありません。

SOURCES / 参考資料

歴史・計算・科学的評価の参照先

  1. Internet Encyclopedia of PhilosophyHellenistic Astrology

    ヘレニズム期の出生占星術、前史、哲学的背景。

  2. Oxford Research EncyclopediaAstrology in Ancient Greek and Roman Culture

    黄道、天体、ハウス、アスペクトと古典期の実践。

  3. The Metropolitan Museum of ArtAstronomy and Astrology in the Medieval Islamic World

    イスラーム圏における翻訳、計算、器具、社会的実践。

  4. European Space AgencyTime References

    春分点と歳差運動に関する天文学的な基礎。

  5. NatureA double-blind test of astrology

    出生図による性格記述を検証した代表的な二重盲検試験。

NEXT MUSEUM

同じ出生情報を、インド占星術の時間体系から読む。

Jyotishでは、恒星を基準にした配置、月宿、惑星期間、分割図を用いて、出生時の構造と時間の移り変わりを読みます。