Jyotish / インド占星術の基本
Jyotish(ジョーティシュ)は、インドで発展した占星術の伝統です。人が生まれた日時と場所から、その瞬間の天体配置を図にし、性質や人生の時期を読み解きます。
Western(西洋占星術)と同じ出生情報を使いますが、星座の位置を決める基準や、人生の時期を読む方法が異なります。Jyotishという語は暦、天文計算、時期選択を含む広い領域を指し、現代日本語では出生図を扱う領域を中心に『インド占星術』と呼びます。
- 01固定された12の星座区画 / Rāśi
- 02出生時の東の地平線 / Lagna
- 03各区画の天体配置 / Graha
Lagnaと天体の位置は構造説明用の例で、特定人物の出生図ではありません。
生年月日、出生時刻、出生地から、出生時の天体配置を作ります。
まず、その瞬間に各天体が空のどこにあったかを計算します。次に、出生地の東の地平線から図の起点を定め、恒星側を基準にした十二の星座区画へ配置します。この図が、後の細かな区分や時期技法の土台になります。
- 何が働くかを示す天体と計算上の点
- Graha / グラハ
太陽、月、惑星に加え、月の軌道と太陽の通り道が交わる二点であるRahuとKetuなどを扱います。
- どんな性質で働くかを示す十二の星座区画
- Rāśi / ラーシ
恒星側を基準にした黄道を30度ずつに分けます。
- 人生のどの領域に現れるかを示す十二の生活領域
- Bhāva / バーヴァ
出生地から見た空を生活領域として区切ります。
- 図の起点を定める東の地平線の点
- Lagna / ラグナ
出生地点で東から昇る黄道上の度数で、出生時刻と場所に敏感です。
四つの役割を重ねると、出生時の基本図ができます。
『何が働くか』を天体、『どんな性質で働くか』を星座の区画、『人生のどの領域に現れるか』を生活領域として重ね、東の地平線を起点に並べます。Jyotishでは、それぞれをGraha、Rāśi、Bhāva、Lagnaと呼びます。この基本図がD1です。
- 出生時の全体を示す基本図
- D1 / Rāśi chart
恒星側を基準にした天体配置を示し、補助図と時期技法の土台になります。
- 生活領域どうしを、担当する天体で結ぶ規則
- Lordship / 支配星
各生活領域に対応する星座区画の支配星をたどります。
- 天体がほかの位置へ向ける関係
- Drishti / ドリシュティ
どの天体がどの位置へ関係を及ぼすかを定める伝統的規則です。
- 複数の配置を一つの型として読む組合せ
- Yoga / ヨーガ
天体、支配、位置関係が所定の条件を満たすかを見ます。
- 天体の働き方に重みを付ける評価
- Strength / ストレングス
品位、位置、方向、時間などを用いる複数の方式があります。
星座の起点をどこに置くかで、境界付近の配置が変わります。
Westernで多く使われる季節基準の位置と、Jyotishで多く使われる恒星側の位置にはずれがあります。その差をどの値で補正するかをayanāṃśa(アヤナーンシャ)と呼びます。方式が違うと、境界付近の天体や図の起点が別の星座区画へ移ることがあります。
月の位置を細かく分け、目的別の補助図を重ねます。
月の位置を二十七の区画へ細かく分ける方法をNakshatra(ナクシャトラ)と呼び、各区画をさらに四つのPada(パーダ)へ分けます。また、同じ天体位置を目的別の補助図へ組み替える方法をVarga(ヴァルガ)と呼びます。基本図を置き換えるのではなく、特定の観点を補います。
- 月の位置を二十七の区画へ細かく分ける方法
- Nakshatra / ナクシャトラ
一つの区画は13度20分で、月の運行や時期法と深く結びつきます。
- 一つの月の区画をさらに四分する単位
- Pada / パーダ
一つのNakshatraを3度20分ずつに分けます。
- 九分割で天体の状態を補って見る図
- D9 / Navāṃśa / ナヴァーンシャ
基本図の判断を支える重要な補助図で、重点は流派によって異なります。
- 十分割で仕事や社会的活動を補って見る図
- D10 / Daśāṃśa / ダシャーンシャ
職務、社会的活動、実行の領域を補助的に検討します。
人生を期間へ分け、現在の天体運行を重ねます。
人生を長い期間と短い期間へ分け、各期間の中心となる天体を定める方法をDasha(ダシャー)と呼びます。代表的なVimshottari方式では合計120年を九つの天体へ配分します。現在動いている天体を出生図へ重ねる方法はGochara(ゴーチャラ)と呼ばれ、期間法と併用されます。
- 人生の大きな流れを区切る長い期間
- Mahadasha / マハーダシャー
数年から十数年単位で中心となる天体を示します。
- 長い期間の中をさらに分ける短い期間
- Antardasha / アンタルダシャー
大期間を九つの天体期間へ分け、さらに細分する運用もあります。
- 九つの天体へ合計120年を配分する順序
- Vimshottari sequence
Ketu 7、Venus 20、Sun 6、Moon 10、Mars 7、Rahu 18、Jupiter 16、Saturn 19、Mercury 17年です。
- 現在動いている天体を出生図へ重ねる方法
- Gochara / ゴーチャラ
期間の中心となる天体と、現在の運行を別の層として組み合わせます。
固定区画、Lagna、天体配置が、GenesisCoreの正方形チャートに現れます。
D1では星座区画を固定した外周へLagnaと天体を配置し、画面上部から対応する補助図へ切り替えます。
- 01外周12マス:固定された星座区画
- 02Lagna:出生時の東の地平線
- 03区画内の略号:天体配置
- 04上部の切替:D1と対応する補助図
基本図から分割図、期間へ順に重ねます。
公開人物の出生情報から生成した現行Premium画面を使い、D1とLagna、支配と関係、Varga、DashaとGocharaの順に見ていきます。画面では、基本図と補助図、期間情報を切り替えて確認できます。

- 01
D1とLagna
Dhanu Lagna。D1ではH1にJupiter、H5にMoon等を表示Lagna、Lagna lord、Bhāva配置から図の基礎構造を読みます。
- 02
支配・関係・強度
画面は品位、配置、Yoga、strengthを別表示支配星、Drishti、Yoga、強度評価を一つずつ重ねます。
- 03
Varga
D9、D10、D12、D30の切替を表示D1の結論を置き換えず、対象領域の補助情報として使います。
- 04
DashaとGochara
Current DashaはJupiter。期間画面に下位期間とGocharaを表示出生構造の上へ期間の主役と現在の運行を重ねます。
暦と時刻決定、数理天文学、出生占星術が重なって発達しました。
初期のJyotiṣaは祭式暦や太陽・月・ナクシャトラの時刻決定と深く結びついていました。後世の数理天文学と、ギリシア語圏・ペルシア語圏などとの知識交流を通じ、個人の出生図と判断技法が発達しました。
- 01
暦とナクシャトラ
月と太陽の位置、季節、祭式の時を定める知識が整えられました。Vedāṅga Jyotiṣaは初期の暦・天文知を伝える資料です。年代には学術上の議論があります。
- 02
数理天文学の形成
暦、惑星、食などを扱う計算法が発達し、後世のSiddhānta文献へつながりました。
- 03
出生占星術の展開
YavanajātakaやVarāhamihiraに関わる資料は、ギリシア語圏を含む知識交流とインド内の再編を考える重要な手掛かりです。
- 04
判断法の蓄積
Yoga、Varga、Dasha、年運、質問占、選時など、多数の技法と注釈伝統が形成されました。
- 05
地域・流派・標準化
北・南インドなどの表示慣習、ayanāṃśa、Bhāva、Dasha運用の違いを保ちながら、印刷物とソフトウェアで広く共有されています。
表示方式と計算規則には、地域・流派による違いがあります。
北インド式はBhāvaの位置を固定し、南インド式はRāśiの位置を固定する表示が代表的です。同じ計算値でも図の置き方が変わります。さらにayanāṃśa、Bhāva、Varga、Dasha運用の違いが判断へ影響します。
- 01出生時刻の誤差はLagna、Bhāva、Varga、Dashaの境界へ影響する場合があります。
- 02北インド式はBhāva、南インド式はRāśiを固定して配置する代表的な表示方式です。
- 03インド出生占星術を対象にした統計試験では、限られた判別課題で偶然を上回る成績が得られなかった例があります。性格や出来事の予測手法としては科学的に確立されていません。
- 04医療、法律、投資、診断、人生上の重大判断を代替するものではありません。
GenesisCoreでは、基本図・分割図・期間・分析を切り替えて確認できます。
現行Premium画面には、D1と対応する分割図、Lagna、Current Dasha、Yoga数、期間表示、一次分析(L1)、統合解釈(L2)があります。
D1と対応Varga
D1、D9、D10、D12、D30など、画面で選択可能な図を表示します。
Jyotish snapshot
Lagna、Current Dasha、Yoga数などを要約して表示します。
Premium L1 / L2
配置別の一次分析と統合解釈を分けて表示します。
期間表示
Dashaの期間と実装済みのGochara情報を別画面で表示します。
伝統全体
すべてのVarga、Dasha、Yoga、Muhurta、Prashnaを網羅する製品ではありません。
歴史・計算・科学的評価の参照先
- University of Oxford Research ArchiveCalendars, rituals, and astral science in India
インドの暦、儀礼、天文・占星知の複合的な歴史。
- Cambridge University PressMain Characteristics and Achievements of Ancient Indian Astronomy
Vedāṅga Jyotiṣa、ナクシャトラ、暦計算の歴史的位置。
- BrillThe Jewel of Annual Astrology
インド占星術内部の技法交流、年運、期間法の学術的翻訳。
- Bulletin of SOAS / CambridgeThe Yavanajātaka of Sphujidhvaja — review record
インドにおけるホロスコープ占星術史の主要文献への入口。
- Current ScienceA statistical test of astrology
インドの出生図を用い、学力区分の判別を検査した統計的試験。検査対象の範囲は限定されています。
Western / 西洋占星術とは、同じ入力を別の規則で読みます。
無料版では一方を選び、StandardとPremiumでは両方の結果を体系別に受け取ります。